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「関東のそば、関西のうどん」ということがいわれる。確かに東京にはそば屋が多く、大阪にはうどん屋が多い。なぜそうなったのでしょうか。

 一つには原料となるそばと小麦の栽培地域の環境によることがあります。

寒さに強くやせた土地が適しているそばの栽培条件に合致するのは東日本に多く、温暖な気候が栽培条件の小麦は西日本に産地が多いという事で、関東はそば、関西ではうどんというのが自然の流れだったといえます。

  江戸時代にそば切りとして発展してきたそばですが、もう一つ、そばがよく食べられるようになったのが醤油の発明によるものです。それ以前はそば粉を練った 物に味噌だれを浸けて食するのが一般的な食べ方だったようですが、醤油の発明とそば切りによって食べ方にも大きく変化したと考えられます。

江 戸の食べ方としては、麺の下に少し浸けて食べるというのが一般的な食べ方だったようです。当時醤油は貴重品だったからかとも言われていますが、もちろんそ ういう一面もあるかもしれません。ただ関東の醤油は関西と違いしょっぱいので、全部浸してしまうとからくなり過ぎるという事があるようです。

熊本市内のそば屋さんでも店主はそれぞれ全国いたるところで修行しているので、出汁の味も関東風、関西風、はたまた独自の味という具合で、出汁によって食べ方にも変えてみるのもおもしろいのでは。

 そばにはうどんと違って熱心なファンというか「そば通」とよばれる人達がいらっしゃるのも特徴だと思います。

先 日もそば屋のご主人に聴いた話で、食事に来店された年配のお客さんがレジで精算していると、いきなり「お宅のそばは10点満点中8点で合格だ!」といわれ たそうです。そのお客さん曰く、信州の何とかというそば屋さんがその方にとって10点のお店で、その店を基準に、食べ歩いているそばに点数を付けていらっ しゃるとの事。ほかにも、店に入るなりそばの産地を訊ねられたり出汁について聞かれたりと、まさに真剣勝負さながらです。

一方、そば屋の店主にすると、「そばはしょせん大衆的な食べ物でしょう。気楽にどうぞ」と意外と肩に力がはいっている様子はありません。